今日、職場の若い子から聞いた話。

彼は、地元のやんちゃ達が揃いがちな工業高校へ通っていた。

3年生の時に担任になったのが組長とあだ名される男性教師。

あだ名の通り…彼はパンチパーマの頭に色入り眼鏡をかけ、ここまできたら口の上にはもちろんヒゲが標準装備で「893以外に何の仕事が出来んねん!!」という風貌をしていた。

風貌だけでなく行動も『組長』そのまんまで、違反行為には殴る蹴るの正義の鉄拳制裁!!


そんな見た目もやる事も怖い怖~い組長なんだけど、ルールを破ったり人に迷惑をかけて怒らせなければ普段は「オイ、彼女出来たか?」なんて生徒に気軽に話しかけてくる、GTOをまんま地でいく生徒想いな理解力のある先生だったので、生徒からは絶大な指示を得ていた。

なので、いくら鉄拳制裁を食らわされても「組長に迷惑がかかる」と、親や他の先生に組長の鉄拳制裁を訴え出る者が誰一人としていなかった。



季節は3月。

彼らもめでたく卒業式を迎えた。

一人一人名前を呼ばれる時に、練習の時は「ハイ」とダルそうな小さな声しか出さなかった彼らだったが、本番前に「どのクラスよりも大きなハイ!!をして、組長を泣かせよう☆」と申し合わせ、体育館全体に響き渡る大きなハイ!!を全員がしてみせた。

その堂々とした姿、たくましいハイ!!に驚く組長。そしてすぐに込み上げてくる熱き涙…


サプライズはもうひとつあり、全員が一輪の花を制服の内ポケットに潜ませておき、生徒退場の時に組長へ「ありがとう」と手渡したのだ。


組長、たまらず号泣。


で、その話を聞いた涙もろい僕もウルウル(ToT)


今でも彼のへたまに「仕事、頑張っとうか?」と電話があるらしい。

1クラス40人はいる学校…いい先生だなぁ。



その組長、学校から車で帰宅している途中で生徒に会い、車に乗ったまま話をしていたら「生徒が危ない人に絡まれてる」と通りがかりの主婦に110番通報され、警察から事情聴取されたらしい(笑)


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